アパッチ砦 =「刺激的な場所」
「警察署はアパッチ砦じゃない。会社。」、ドラマ『踊る大捜査線』の第1話に登場するこのセリフだが、最近になってこのドラマを観た人は、ん?と思ったのではないだろうか。
それもそのはず。今観てもあまり古臭い感じは受けないが、なんとこのドラマの放送開始時期は1997年の1月(なんと90年代!)。何しろ、放送当時と今とでは時代背景や流行は変わっているし、通じなくとも不思議はない。
『踊る大捜査線』が放送される2年前の1995年には、ブラッド・ピット主演の西部劇映画『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』が日本でも公開され、当映画はアカデミー賞にノミネートされるなどの盛り上がりを見せた。
さて、本題の『アパッチ砦』もそんな西部劇映画の一つで、こちらの公開は90年代ではなく、もっと前。日本では1953年に公開となっている。
この『アパッチ砦』は『踊る大捜査線』の放送当時からしても、40年以上も経過しているかなり古い作品だが、西部劇映画の名作として知られ、あの黒澤明監督にも影響を与えたといわれている。
そこで、当映画に登場する、アパッチ砦とはどのようなものかというと、そこは「アパッチ族との紛争が絶えない辺境の地」であり、まさにドラマ『踊る大捜査線』の主人公、青島俊作が警察署に夢見ていた、「刺激的な場所」であると言えよう。
だがしかし、1話の中で繰り返し描写されるように、そんな俊作の「理想」は呆気なく打ち砕かれる。
警察は、ドラマや映画で描かれるような、犯人を追い詰める、スリルに満ちた場所などではなく、その実態は、セリフにある通り「会社」であり、俊作が以前営業マンとして働いていた場所となんら変わらない「刺激に乏しい場所」であった。
そのような現実に直面した俊作は、どのように警察官という仕事と向き合い、そして成長を遂げていくのか、注目だ。
