漫画『地獄楽』を読み終えました。

久々に良い作品に出会えたと思えた漫画でした。

面白いと思った点は以下です。

①きれいな終わり方で読後感が良い
②泣けるシーンが結構あった
③それぞれのキャラのコンビが魅力的で好き
④えぇ!?どうなるの!!とワクワクドキドキする展開が多い

順番に見ていきます。

きれいな終わり方で読後感が良い&名言

「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、読後感の良い作品は良いですね。この『地獄楽』も全巻読み終わったあと、しばらく余韻に浸ってぼーっとしていました。

以下最終巻から気に入った一節を引用。

彼らが気になるかい?

どんな絵巻物にも終わり時がある

鬼ヶ島から帰った桃太郎のその後が描かれないのは退屈だからじゃない

野暮だからさ

俺達も同じ

偶(たま)さか物語の舞台が皆一緒だっただけ

引用:賀来ゆうじ『地獄楽 13』集英社

泣けるシーンが結構あった

涙をポタポタボロボロと流したくらい泣けたシーンが2回ほどありました。
読む前はまさかこんなにも泣く漫画だとは思ってませんでした。
仲間のキャラが死んでしまったり、仲間を救うために自分の身を捧げるといったシーンは他のバトル漫画でも、割とよくある展開かと思いますが、『地獄楽』の場合、演出やストーリー展開が上手いのか感情移入して涙してましたね。

それぞれのキャラのコンビが魅力的で好き&名シーン

『地獄楽』では、死罪人と処刑執行人が2人で1ペアとなって、得体の知れない奇怪な化け物がうろつく島におもむくことになるのですが、このそれぞれのコンビがいい味出してるなと思いました。

自分が特に好きなコンビを一つあげるとすると、民谷巌鉄斎(がんてつさい)と付知(ふち)のコンビです。

巌鉄斎は、このおっさんいいキャラしてるなと思いました。
キャラが立っていますし、言葉通りの不老不死には興味はなく、天下に轟く偉業を成し、自分の名が伝説となって語り継がれるのが目標だと言っていますし(4巻参照)、本人もぶれないのがいいですね。

付知くんも自分の専門である解剖学を誇りに思っており(1巻参照)、少々変人なところもあるが、仲間思いで真っ直ぐな心の持ち主なのがよいですね。

以下好きなシーンを引用。

付知「仲間…ではないけど そのようなものだと思ってますよ 僕は」

巌鉄斎「処刑人だろ?いいのかよ それで」

付知「貴方だって面倒見いいでしょ 桐馬の事とか 」

「立場は弁えていますし 犯した罪があるならばそれを肯定する気もない」

「でも触れてしまった 
処刑人も人間です 深くわれば情も湧く」

「本音は全員での生還を願っているなんて 
これっきり二度と言いません」

引用:賀来ゆうじ『地獄楽 8』集英社

あとは十禾(じっか)というキャラクターも印象に残っています。

彼は一応、処刑人(罪人を裁く側)なのですが、掴みどころのない性格で悪いことをたくらんで罪人と共謀しようとしてるかと思えば、なんだかんだで面倒見がよくて全くの悪人というわけでもない。
剣の腕も一流で、頭もキレるし、要領がいいなと思いました。

えぇ!?どうなるの!!とワクワクドキドキする展開が多い

特に単行本1巻に収録されている第6話の終わり頃の異様な雰囲気と絶望感、ワクワク感はすごかったです。

あと物語全体の終盤のどんどん強敵が現れて、状況がめちゃくちゃ混沌とした状態となっている時の、ええ…ハッピーエンドな未来が全く見えないんですけど…となるくらいの絶望感とこれからどうなっちゃうんだろう…というワクワク感もすごかったです。

終わりに

面白かったので作者さんの別の作品も読もうかな。最近、ジャンプ本誌で新連載が始まりましたね。
あと『地獄楽』のアニメ化も決定しているので楽しみです。

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