アニメ『シンデュアリティ ノワール(SYNDUALITY Noir)』を1期・2期ともに全話見たので、その感想を書いていく。

まず、1期は間違いなくつまらない。これは断言するw しかし、2期になると、おっ、面白くなってきたぞと思う展開に加えて、泣けるシーンもあったりで、面白い部分はしっかりと面白いという感じで、全くつまらないという状態ではなくなってくる。

だけど、最後まで見てみて、クライマックスの盛り上がらなさなんかを加味した上で、あらためて面白かったか?というと、つまらないという評価になるという、面白さとつまらなさが混在しつつも、結局つまらないが優勢みたいな、よくわからない作品だった。

以下で1期・2期のつまらない点、そして面白い点をそれぞれ詳しく書いていく。

1期のつまらない点

裏切りのシーンで冷めた

裏切りのシーンで、主人公「なん……で…ガハッ」???「フフフ、残念ね…あなたには、我らが楽園へと到達するための礎になってもらうわ」(トドメを刺そうとする)

??「やめろおおおおおお」

(爆発音)

???「…!?…クッ」

くらいの展開はあっても良かったと思う。

彼は生かしておく価値のある人間みたいな謎の理由で命令を変更して裏切りをやめさせたのは、あまりにもご都合っぽくて正直冷めてしまった。

主人公の成長譚として見ても中途半端

リゼロのナツキスバルなみに努力しているところを見せるとか、

盾の勇者の成り上がりの序盤みたいな、ちょうぜつ胸糞展開を作るとか、
何かしらの感情を激しくゆさぶる展開がもっとあればよかったと思う。

主人公は、ドリフターの適性試験を受けるも「才能なし」と判断されてしまうという、おちこぼれ設定なのだけど、アニメ内では、どうもこの設定が活かされてないと感じた。ここらへんの、主人公のバックボーンに関する掘り下げ不足が、主人公にいまいち感情移入できずに、物語に入り込めない要因となっていると思う。適正がないのを別の突出した能力でカバーするとか、『魔法科高校の劣等生』のように試験の成績は最悪だが、実は試験では測りきれない最強の力を秘めているみたいな設定だと胸熱なんだが。

まあ、このアニメ『シンデュアリティ ノワール』は、メディアミックスプロジェクトの一環という性質上、アニメ単体では全てが明かされずに、
他のメディアである、小説やゲームも合わせることで、物語の全体像がはっきりしてくるように作られているはずで、

そこらへんの兼ね合いで、
アニメでは、どの程度の情報を開示するのかという、さじ加減が難しかったというのもあるのかもしれないけれど。

もっと極悪人が出てきてもよいと思う

いやほんとに、このアニメは極悪人が出てこない。特に1期。

日常系アニメならまだしも、ドンパチやるロボアニメにしては平和すぎて物語の張り合いにかけると思う。
例えるなら、1期は物語の本編というより、番外編でキャラの日常回をやっているみたいだ。

コンプライアンスに配慮してるのか何なのかはわからないけれど、もっと頭のネジが飛んでるくらいの振り切れ方をしたキャラクターや、展開があっても良かったと思う。万人受けを狙いすぎて誰にも刺さらないくらいなら、むしろそちらのほうが良いまである。
流石に、『アルドノア・ゼロ』の1期ラストくらいに振り切れとは言わないけれどw

2期のつまらない点

クライマックスの盛り上がらなさ

通常、ハマるアニメだと、クライマックスともなれば「いっけぇぇぇ!ぶっ倒せぇぇ!」と、とても感情移入しながらハラハラして見るものだが、

今回のアニメの場合、まるでアクリルガラスを一枚へだてた、その向こう側に存在する景色を眺めるかのような、どこか他人ごとのように見ている自分がいた。

あとクライマックスのシーンを見ていて、このアニメ対象年齢がすこし低めなのかなとも思ったりした。そうだとすると、筆者はこのアニメのターゲット層から、ずれていることになる。

いや、そうはいっても、漫画『ドラえもん』は子供向けだけれど、大人が読んでも面白いように、子供向けだろうがなんだろうが、面白いものは面白い。普遍的なおもしろさってやつは確かにあると思うんだ。

1期・2期の面白かった点

綾波レイ系と大人のお姉さん系属性を摂取できる

特に1期の序盤あたりに関していえば、
口数が少なく、どこかミステリアスな綾波レイ系属性と、『マクロスF』に登場するシェリル・ノームみたいな、大人のお姉さん系属性を手軽に摂取する要因としては優秀。

とくに大人のお姉さん系キャラは、ほんと好きなんだ。

まあ、ノワールは、どちらかというと、綾波レイ系というより、『さくら荘のペットな彼女』に登場する、ましろっぽい感じはあるけれどw 生活能力がなくて、主人公が世話を焼く系ヒロインみたいな感じで。

切ないシーンの演出がクラナドを思い出す

BGMと演出で、CLANNADっぽい切なさを感じるシーンがあって、とても懐かしい気持ちになった。
一番最初に感じたのは、第4話の開始10分あたりでクラウディアさんのセリフの時に流れたBGMと演出の部分で、CLANNADっぽい雰囲気を感じた。ちなみに、この時に流れたBGMは、その後もたびたび出てくる。

CLANNADのアニメに携わった方が演出に関わっていたりするんだろうか。

ちょっと調べて聞き比べてみたら、CLANNADの「空に光る」という曲と雰囲気が似ている感じがあった。
音楽には詳しくないので専門的なことはよくわからないが、コード進行が似ているために、そう感じるのだろうか。

めっちゃ泣いた

2期の第16話あたりで、目頭が熱くなったというレベルではなく、ヒックヒックしゃくりながら泣いてた。

あと19話でも涙出た。回想シーンで過去のセリフをうまく挿入して泣かせにくる演出とてもうまいなと思った。

このように、このアニメは面白い部分はちゃんと面白いのだが、全体を通して見ると、どうしても、つまらないという評価になってしまったアニメだった。

おわりに

そういえば、ネタバレを避けるために詳細はぼかすけれど、物語の終盤に出てきた巨大人工衛星っぽいやつのデザインを見て、ふと昔見た、『.hack//SIGN』というアニメを思い出した。このアニメは、元祖SAOとも呼ばれていて、ネトゲ世界に閉じ込められる系の物語の元祖として有名な作品なのだけれど、
wikipediaを見て驚いたのが、この『.hack//SIGN』も、今回の『シンデュアリティ ノワール(SYNDUALITY Noir)』と同じく、バンダイナムコによるメディアミックスであったということだ。
アニメ『.hack//SIGN』を見たのは、随分前だし、バンダイナムコが関わっているというのは、完全に記憶から抜け落ちていた。
そんな中、まさかの意外なつながりというか、偶然の一致を感じて、とても驚いている。
アニメ『.hack//SIGN』は結構面白かった記憶がある。

久々に懐かしくなって、
「.hack」シリーズの始まりである、ゲーム『.hack//感染拡大 Vol.1』をプレイしてみたいと思ったのだが、この通称「.hack」シリーズの無印は、残念ながら、2024年現在も移植版が出ておらず、PS2でしかプレイすることができない。
そして、筆者はPS2が手元にない…。
PSアーカイブスで販売してくれるとありがたいのだけど…。 

筆者の環境だと、PS2を購入するなら、液晶も同時に揃える必要がある。しかも、PS2の場合、ブラウン管テレビの画面に最適化されているため、最近の薄型の液晶テレビだと、逆にゲームの画面が汚く見えてしまうという現象が起こるらしい。まあ、この現象はD端子ケーブルを使うことで解消するらしいのだけど。

うーん、わざわざ液晶も買って、変換ケーブルとかを揃えたりするのめんどうだなあと思っていたら、一体型モニターという本体とディスプレイが一体化しているデバイスが販売されていることが判明。メーカーはHORI社製。しかし、現在は当然のごとく生産終了しており、Amazonなんかで定価の約2倍の30,000円近くもするんだよなあ…。このPS2の一体型モニターはお金が貯まり次第、買うことを検討中。

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