漫画『僕たちがやりました』を読んで、個人的に心に残った名言を紹介します。
目次
名言
55話「この優しくて温かい気持ちはきっと」
この優しくて温かい気持ちはきっと─‥
明日も その先も続く
そう確信できるそれが「幸せ」って言うんだなあ
引用:『僕たちがやりました』55話
とびを
最近読んだ『琥珀の秋、0秒の旅』という小説に、
未来とは、素晴らしく、希望に満ちあふれたもの。そう信じ込める状態を、人は幸福と呼ぶ。それは、翻って、未来の本質がどうしようもなく不透明で不確実であることを表している。
引用:八目迷『琥珀の秋、0秒の旅』p244
とあったのを思い出しました。
58話「自由」に生きてきた人間ほど「不自由」に弱いんだ
知ってるかい 増淵くん
「自由」に生きてきた人間ほど「不自由」に弱いんだ自殺っていうのは いろんなケースがあるんだけどね
やっちゃう人の多くは「生きるのが不自由」だと考えてる
心に逃げ場がなくなって
誰ひとり分かち合える人がいなくなった時人は自殺を選ぶ
それが衝動的であれ 理性的であれ
彼らにとってはそれが救いで‥「自殺」こそが「自由」
引用:『僕たちがやりました』58話
なんだってさ
苗字を飯室(いいむろ)という、有能そうな刑事さんのセリフ。
とても考えさせられるセリフです。
あと、セリフ回しが洗練されていて、するっと頭に入ってくる感じでリズムが心地よいのも好きです。
70話 死ぬまで一生「好き」だと思う
多分 俺は
この人のことを死ぬまで一生「好き」だと思う
SEXなんかしなくてもいい
無言でもいい
そんな関係を好きって
引用:『僕たちがやりました』70話
言うのかな 蓮子
トビオの心の中のセリフ。
唐突な私事で恐縮だが、筆者はいわゆる彼女いない歴=年齢である(←そんなに偉そうに言うことではない!)。
つまり彼女がいたことがないわけですが、恋愛感情としての「好き」とはこんな感じなのかなあと思いました。
86話 それが俺らの「ネバーエンディングあるある」やん?
‥‥でも俺らはなぁトビオ
普通の「幸せ」を感じるセンサーがもうイカれてもうてるんやと思うねん
だからたまーに「死にたくなる」のが生きてる証拠やん?
それが俺らの「ネバーエンディングあるある」やん?
引用:『僕たちがやりました』86話
パイセンのセリフ。
本作では、罪をおかしてしまった4人が、それぞれ、その犯してしまった過ちにどう向きあっていくのかが描かれます。
その過程で、苦悩し、葛藤する様子が描かれています。
上記のセリフは、トビオが絶望と苦悩の淵に精神が追い詰められていた時にパイセンがトビオにむけて言ったセリフです。
パイセンらしいセリフでグッときたシーンです。
本作の魅力&感想
どこか、夏目漱石の『こころ』を彷彿とさせ考えさせられる
なんというか色々と考えさせられる漫画でした。「人を呪わば穴二つ」ということわざがあります。人を陥れようとすると、かえって自分に災難がふりかかるといった意味です。
まさに、今回のトビオ達もそうだなあ…と。
通常、罪を犯した人が無罪となった場合、もしかしたら多くの人は以下のように考えるかもしれません。
※非常に単純化して書いています。
犯罪者視点
・ラッキー!
外野(それをニュースなどで知った人々)
・けしからん!なぜやつが無罪なんだ!
しかし、罪(作中で出てきたような重い罪を想定)というのは、例え無罪になったとしても、一生呪いのように自身の心の中につきまとうのだなぁ…と。
幸せそうに見えても、心の中に蓋をしている部分があり、ふとした瞬間や幸せな瞬間にそれがフラッシュバックし、苦しむ__。
まあ、ガチのサイコパスみたいな人だったら当てはまらないのかもしれませんが。
どこか、夏目漱石の『こころ』を彷彿とさせるところがありました。
もちろん、それだけではなく、漫画としての完成度も高く、エンタメとしても普通に楽しめます。
暗い話なの?そうでもない
タイトルやあらすじからして暗い話を想像しがちですが、筆者もそう思ってました。ですが、そうではありませんでした。
シリアスなシーンでも、頻繁に小ネタやギャグが挟まれており、クスッとなるシーンが多くありました。「たつた せいき」はワロタ。
ちなみに『ハンター x ハンター』ネタもありましたw
シリアスなシーンなのに、ギャグとか入れて雰囲気壊れないの?って思う方もいるかもしれませんが、全然そんなことはなかったです。
作者のギャグセンスには脱帽です。
あとは、なにげに顔芸も見所ですw
おわりに
この『僕たちがやりました』の原作者様は、最近アニメが放送された『ブルーロック』や、『神さまの言うとおり』、『ジャガーン』の原作者でもあります。
この方の作品を読むのは、今回がはじめてだったので、他の作品も読んでみようと思います。