映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の主題歌になっているBUMP OF CHICKENの曲「クロノスタシス」。

 

本記事では、この曲のタイトルになっているクロノスタシスという言葉の解説と、歌詞の意味についての考察を書いていきたいと思います。

クロノスタシスの意味とは?

クロノスタシスとは「ずっと動きづづけているはずの時計の針が一瞬だけ止まって見える現象」のことです。

秒針がチクチクと動いているアナログ時計に、ふと目を向けると、いつもより長い間秒針が止まっているように感じる現象と言い換えてもよいでしょう。

 

なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

これは、脳が目で捉えた情報をどのように処理しているかが関係しています。

 

人間の眼球は何かを見ている時、常に動いていますが(スマホで文章を読むときもそうですね)、私たちはこの目の動きを意識することなく、物事を見ることができます。

 

例えば、カメラで写真を撮ろうと思った時、手ブレが起きることがありますが、
人間の目で、この「手ブレ」が起きないのはなぜなのでしょうか。

 

人間の目も動いているのでブレたり、不鮮明な映像が映し出されても不思議はないはずです。

 

でもそうはならないのは脳が、目が動いている間の情報を無視して、目の動きが止まった後の情報で、その隙間を埋め合わせているからです。

 

まとめると、クロノスタシスが起きるのは、時計にふと目を向けた時に、「目が動いた」という情報が無視されて、「止まった秒針を見た」という情報で、その無視された隙間を埋め合わせるためです。

考察

クロノスタシスの意味を知ったあとで、あらためて曲の歌詞を見てみると、時計や秒針といったキーワードが頻繁に登場することがわかりエモいなと思いました。

 

歌詞の意味ですが、個人的には大切な人を失ってしまった主人公が、懸命に前を向いて生きようとしている姿を描いているように感じました。

 

詳しく見ていきます。

 

もう一度ドアを開けるまで
ノルマで生き延びただけのような今日を
読まない手紙みたいに重ねて
また部屋を出る

引用:BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

 

この歌詞からは、大切な人を失ってしまい、日々をただ無気力に生きていた、もしくは廃人のようになってしまっている主人公の様子が読み取れます。

 

そして、

明け方 多分夢を見ていた
思い出そうとはしなかった
懐かしさが足跡みたいに
証拠として残っていたから

引用:BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

 

主人公は懐かしい夢を見ていたのでしょう。
それは大切な人との夢だったのだと思います。

 

飾られた古い絵画のように
秒針の止まった記憶の中
何回も聞いた 君の声が
しまっていた言葉を まだ 探している

飾られた古い絵画のように
秒針の止まった記憶の中

引用:BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

 

この部分は大切な人を失ってしまった日から、日々の生活の彩りが失われ、まさしく止まったようになってしまったことを意味していると思います。

 

不意を突かれて思い出す
些細な偶然だけ 鍵にして
どこか似たくしゃみ 聞いただとか
匂いがした その程度で

臆病で狡いから
忘れたふりをしなきゃ
逃げ出しそうで

引用:BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

 

この部分は、ふとした瞬間に、失った大切な人の面影を見いだしてしまい、つらいから忘れようとして目を背けようとする様子が読み取れます。

 

この街は居場所を隠している
仲間外れ達の行列
並んだままで待つ答えで
僕は僕を どう救える

例えば未来 変えられるような
大それた力じゃなくていい
君のいない 世界の中で
息をする理由に応えたい

この街は居場所を隠している
仲間外れ達の行列
並んだままで待つ答えで
僕は僕を どう救える

失くしたくないものがあったよ
帰りたい場所だってあったよ
君のいない 世界の中で
君といた昨日に応えたい

引用:BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」

 

太字にした部分に着目してみると「僕は僕をどう救える」が2回、そして「息をする理由に応えたい」ときて「君といた昨日に応えたい」とあります。

 

この部分からは、なんとか前を向いて生きようとする主人公の懸命さが感じ取れました。

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