『蜘蛛ですが、なにか?2巻』を読み終えました。
今回も感想を書いていきます。
2巻ですが、うん、いろいろと凄い事になってきました。
1巻まではほんの序章に過ぎず、2巻の最後あたりに来てやっと本編みたいな、そんな結構衝撃的な展開でした。
まさかね…ああなってしまうとは。
※物語の核心につながる重大なネタバレが含まれていますので、まだ読んでいない方はご注意ください。面白さが半減する可能性があります。
章「Y2 悪夢の残滓」を読んでいて感じた違和感
前回書いたの1巻の感想記事で、1巻ラストは、勇者ユリウスが蜘蛛の魔物に転生した女子高生を討伐しに行くところで終わったと書きました。
勇者ユリウスが蜘蛛の魔物を討伐する章「Y2 悪夢の残滓」を読んでいて、違和感を感じました。
あれ?これ、蜘蛛の魔物に転生した女子高生じゃなくね?と。
姿は蜘蛛の魔物に転生した女子高生とそっくりで、見失った場所の描写も一致しているのですが、言葉遣いや強さなどが全然違うんですね。
自分が勘違いしてただけかな?いわゆるミスリード的なやつかなと思いました。
『蜘蛛ですが、なにか?』は独特の構成をとっていて、蜘蛛の魔物に転生した女子高生と、王子様に転生した山田俊輔くんの章が、交互に進んで行くわけですが、
読み進めていて自分は、てっきり蜘蛛の魔物に転生した女子高生の章と王子様に転生した山田俊輔の章の時間軸は同じものと勘違いしてました。
要するに、王子様に転生した山田俊輔と、蜘蛛の魔物に転生した女子高生の章では、同じ時間が流れていて、例えば王子様の方を西暦2021年だとすると、女子高生の方も同じ西暦2021年みたいに思っていました。
でも違ったんですね。それが違和感の正体でした。
よくよく考えてみると、わかることなので感の良い人ならすぐに気づいたと思います。
1巻を順番に読み進めていくと、蜘蛛の魔物の女子高生の章は、蜘蛛の魔物に転生した直後から物語が始まります。
よくある、え?どゆこと?これが異世界転生ってやつ?みたいな、混乱からの現状を受け入れるところから始まるわけです。
一方で、王子様の山田俊輔の章では、赤ん坊から成長して少年くらいの年齢になってから物語がスタートするんですね。
人間に異世界転生した場合、この物語ではまず赤ん坊になってしまいます。もちろん中身は前世のままなので、高校生の記憶はもったままです。
それが、赤ん坊から少年に成長しているということは…
この部分がみそで、本文の情報によると交互に進むこの2つの章の間には10年間ほどの時間差があったということになります。
つまり、ユリウスが蜘蛛の魔物に転生した女子高生っぽい魔物を討伐するシーンは、現在読んでいる蜘蛛の魔物に転生した女子高生の章から時が何年か進んでいたということです。
このことに2巻を最後まで読んで、やっと気がつきました。
この「Y2 悪夢の残滓」の章の最後あたりに魔王がちらっと登場するのですが、それも2巻を最後まで読むことで、意味がわかりました。
衝撃!魔王の正体はまさかの…(ネタバレ注意)
この魔王の正体ですが、まさかの主人公かと思っていた蜘蛛の魔物に転生した女子高生でした。
ないわー。という口癖や1巻の最初あたりに出てきた、巣を焼き払われたときに置いていった蜘蛛の糸が魔王のものであるとわかるセリフなどから間違いないですね。
1巻の伏線回収
思い返してみると、1巻の章「4 巣立ち」の最後に蜘蛛の魔物の女子高生が魔王になる伏線がちゃんとありました。
その糸を使った服がとんでもない高額で取引されたという。
中にはどこぞの国の王様までそれを購入したそうで、一時期話題になったのだとか。
卵の方はあの状態でもしぶとく生きていたらしく、その後無事に孵化したらしい。
私がその事実を知ることになるのは、もっとずっと後のことだった。
この部分です。私がその事実を知ることになるのは、もっとずっとあとのことって、どうやって知るんだろう。
他のクラスメイトと再開でもするのかな?でも見た目が蜘蛛の魔物だし、どうするんだろ。と疑問に思っていたのですが、そういうことかと2巻を最後まで読むとわかります。
奇麗にこの伏線が回収されています。
かなり序盤あたりから、すでに主人公の女子高生が魔王になることは決まっていたのか、すごいな。
新たな謎と考察
支配者階級特権
新たに「支配者階級特権」というものが登場しました。
初出は、蜘蛛の魔物に転生した女子高生が「傲慢」という壊れスキルを獲得した時に、一緒に獲得した「傲慢の支配者」という称号の説明文に登場しました。
「傲慢」の効果は、取得する経験値と熟練度を大幅に上昇させる&各ステータスの成長値が上昇するといったもの。
このスキルが、スキルを獲得できるポイントで一番安いわずか100ポイントで獲得できるのですからすごいです。
この支配者階級特権の説明には、支配者に与えられる世界の一部を管理する権限と書かれています。
支配者ってなんだ?世界を管理する?
レベルが上がったりするゲームみたいな世界を管理する、ゲーム開発者的なやつか?っていうことは神みたいな存在だよな。
という感じで、主人公達のいる世界には何か秘密がありそうです。
管理者権限というものを使って、新たなスキルが構築される場面も出てきます。
管理者っていったい何者なんだろう。
そういえば、準主人公、山田俊輔くんの元担任の通称「岡ちゃん」が支配者権限を発動し、主人公を目の敵にしているユーゴーのスキルをすべて剥奪して、ステータスを600くらいから30まで下げるということしてました。
もはやなんでもありですね。チートです。
しかもこの岡ちゃん、途中で疾走しているんですね。
確実に何かを知ってそうな感じです。
敵なのか味方なのかはっきりしません。
謎も多いので、案外、黒幕か何かだったりして…
ユーゴーの行方
岡ちゃんと同時期にユーゴーも疾走しています。
ユーゴーも転生者で、準主人公山田俊輔の元クラスメイトでもあります。
ユーゴーは、山田俊輔くんを殺そうとしたことが原因で岡ちゃんに全スキル剥奪とステータス大幅ダウンされてしまう訳ですが、
それをきっかけに岡ちゃんに復讐を誓うんですね。
その復讐を誓うシーンの時の精神状態がかなりやばげでした。
「グチャグチャに○してやる!」などと言っています。
準主人公を殺そうとしたくらいですから、もともと少し狂っていますが、岡ちゃんをきっかけにさらに狂ってしまった感じです。
この後、物語にどう関わってくるのか気になるところです。
Wのシステムを凌駕し、MA領域への干渉権を得る?
神へと至らんとするn%の力。
「傲慢」の他にも、「忍耐」と「叡智」という壊れスキルが出てくるのですが、これらのスキルの説明文に共通して出てくるのがこのワードです。
Wのシステムとは何なのか?MA領域?n%の力?
n%とWに関しては、転生者に生まれつき存在する謎スキル「n%I=W」にも出てきますね。
いったい何なのかはまだ明かされていません。
禁忌
主人公の蜘蛛の魔物の女子高生が、魔王になってしまった理由として、この「禁忌」というスキルがカンストしてしまったからではないかと予想しています
「禁忌」の説明には、このスキルは決して上げることなかれとあります。
それ以上詳しく書かれていませんが、レベルマックスになってしまったら間違いなくやばそうです。
「禁忌」をカンストすると魔王になってしまうか、少なくとも魔王になることと何か関係がありそうな感じがします。
あと、気になったのが魔王になった後の蜘蛛の魔物の女子高生の性格が、なる前と変わってる気がするという点です。
残忍になったというか、かなり魔王っぽい性格になっているんですね。結構エグいことを平気でやるようになったし。
魔王になると性格まで変わってしまうんでしょうか…?
まとめ
『蜘蛛ですが、なにか?2巻』ですが、いろいろと衝撃な展開が多く、ますます目が離せなくなってきました。
この後、主人公達はどうなっていくのか。
次巻が楽しみです。