※ネタバレ注意
『蜘蛛ですが、なにか?4』を読み終えました。今回も感想を書いていきます。
4巻を読んでいて、一番気になったのが「管理者D」の正体は誰なのか?という点です。
今回は、この「管理者D」の正体について考えてみたいと思います。
「管理者D」の正体についての考察
やたら主人公(蜘蛛)のことを気に入っていて、たびたび接触を試みてくる(といってもスマホを通してですが)「管理者D」ですが、そんな「管理者D」について今回新たに分かったことがあります。
それは転生前に主人公達がいた教室に「管理者D」もいたということです。
これは管理者D本人の口から語られました。
他にわかったこと
・主人公達のいる世界には25人の元地球人が転生している
・クラスの人数は25人で、教師を入れたら26人。このうち一人は「管理者D」。
『まあ、私の話は置いておいて。システムの最高管理者である私があの教室にいたから、あの事故は起きてしまった。なので、原因の一端は私にもあるのです。その責任取りをするために、こうしてその世界に干渉しているわけです』
引用:馬場 翁『蜘蛛ですが、なにか? 4』(カドカワBOOKS)
んー。そもそもなんでシステムの最高管理者が主人公達と同じ教室にいたのかという疑問が浮かびますが、今回は「管理者D」が誰なのか?ということを中心に考えてみます。
まず担任の岡ちゃんがエルフに転生していることから「管理者D」が教師である線は除外します。
すると、「管理者D」は生徒ということになります。生徒の数は合計で25人なのでこのうちの一人が「管理者D」ということになります。
1巻時点で岡ちゃんが接触に成功したクラスメイト
・エルフの里に11人
・シュレイン、フェイ、カティアを合わせて6人は接触に成功
・あと二人ほどの所在の確認もできている
合計で19人
クラスの生徒数は合計で25人なので
この時点で行方が不明なのは、あと6人
2巻では行方不明だった残り6人のうち、4人の死亡は確認したとある
これで所在がわかったのが23人
残り2人は現状手が出せない状態とあります。
この異世界での、元生徒の所在に関する情報は全て岡ちゃんから語られたものです。
『今その世界には元25人の地球人が転生しています。』と管理者Dは言っていました。
そして管理者Dがこの25人の転生を手助けした。とも。
この25人のうちの一人に岡ちゃん(教師)が含まれるとしたら、転生している元地球人は残り24人ということになります。
岡ちゃんは異世界に転生した生徒を探して、その安否を確認して回っています。
その結果わかったことを教えてくれていますが、生徒ということは自分は人数にカウントされていません。
つまり、教師1人(岡ちゃん)で、生徒は25人。
そして岡ちゃんは、生徒25人について話している。
でも異世界にいる元地球人は25人と管理者Dは言っています。
ということは岡ちゃんを抜かした、残りの24人が生徒ということになります。
つまり、異世界にいる生徒は24人しかいない!
なのに、岡ちゃんは自分を除いた生徒25人について話しています。
数が合いませんね。
1巻で生徒25人のうち、行方がわからないのは残り6人。
2巻でその6人のうち、4人の死亡が確認された。残り2人は、居場所は判明しているが、現状手が出せない状態とあります。
ということは、この「居場所は判明しているが、現状手が出せない状態にある2人」のどちらかが「管理者D」ということになります。
で、おそらく「居場所は判明しているが、現状手が出せない状態にある2人」のうちの1人は主人公の蜘蛛。
ということは残りの1人が「管理者D」ということになります。
ということは、岡ちゃんは2巻の時点で既に「管理者D」の居場所を知っているということになります。
そして「管理者D」は、4巻で現在日本にいると言っていました。
岡ちゃんが「管理者D」の居場所をわかっているというのが本当なら、「管理者D」についてある程度知っている、もしくは既にその正体を掴んでいると考えるのが自然です。
そして4巻で、岡ちゃんは何か主人公達に言えない事実を隠しているのではないか?とカティアが疑っているシーンが出てきます。
そしてこの「主人公達に言えない何か」とは、おそらく「管理者D」に関することなのではないかと思われます。
さらに4巻では、岡ちゃんが転生者の保護活動を行っていた方法の一部が明らかになります。
転生者がエルフの里に連れてこられた方法
・親に金で売られた
・拐(さら)われてきた
つまり金でやり取りされ、誘拐されてきたということですね。
岡ちゃんは、転生者を保護するために非合法的な手段に手を染めていたことがわかります。
さらに殺しなどを行っていたとも書かれています。
岡ちゃんがここまで必死になっている理由、そして何か重大な事実を隠しているという伏線、これらを考え合わせると、すべて「管理者D」につながっている気がします。
ここまでの話をまとめると
・2巻の「居場所は判明しているが、現状手が出せない状態にある2人」のうちの1人が「管理者D」。
・岡ちゃんは「管理者D」の居場所と、その正体をある程度掴んでいると考えられる。
他にも「管理者D」について、不可解な点があります。
転生前に管理者Dも主人公達と同じ教室にいたといっていますが、その教室は見るも無残に破壊され生存者はいなかったとも言っています。
つまり、教室にいた全員が死亡したということですが、この中には管理者Dも含まれています。
つまり「管理者D」も一緒に死んでいるはず。
ですが、主人公達が異世界に転生する手助けをし、スキルの付与まで行っている。
一緒に死んでいるはずなのにどうやって、それを行ったのだろうか。
その時に死んだ人の魂はその世界のシステムに逆流してしまい、その世界で転生することになってしまったのです。
引用:馬場 翁『蜘蛛ですが、なにか? 4』 (カドカワBOOKS)
ということは管理者Dは魂の状態で主人公達が異世界に転生する手助けを行った?
うーん…。ちょっとそれは考えにくい。
そして、現在は日本にいる
・ポテチを食べている
・新発売のアイスを後で食べようかとも言っている
つまり、死んだはずの「管理者D」は体があり、日本で生活している??
うーん…。ますますよくわからなくなってきました。
まとめ
あいかわらずその正体は謎に包まれている「管理者D」。彼はなにか物語の重要な鍵を握っている気がします。